Block Adjustment for Photogrammetric Production of Map of Iran
Optimal GCPs with Onboard GPS

イランにおける真測量を用いた地図作成のためのブロック調整法
航空機搭載型GPSを用いた最適GCP


A.Milanlak and M.Gh. Majdabadi, 

Research Institute of the National Cartographic Center, Iran


GIM International September 2005, pp46-47

   
   
GPS技術の誕生と時を同じくして、写真測量解析にGPSが用いられるようになった。当初、GPSは地上基準点(GCP: Ground Control Point)を取得するために用いられた。GPSは従来の測量技術を用いた場合に比べGCP取得時間や労力を大幅に短縮し、コストを削減し、さらには精度向上を可能とした。次のステージでは、GPSレシーバーは航空機内に搭載され、撮影の瞬間におけるカメラの位置測定に用いられるようになった。これによってGCPの数を減らすことができるものと期待される。要求精度を満たすためには二周波の GPSレシーバーを既知の座標系状に配置する必要がある。両方のレシーバーが0.5あるいは1秒のサンプリングレートでフライトの間にinteger ambiguity-resolution を用いてcarrier-phase dataを集める。GPSは外部評定を行う際の姿勢情報を計算する際にも用いられる。しかし、これらの精度は10arc秒の精度が要求されるにもかかわらず、1arc分程度の精度しかない。

GPSアンテナとカメラ間の位置関係は正確に計測する必要がある

誤差要因
 航空機搭載型のGPSは時間やコストを削減することができるものの、航空機カメラとGPSの組み合わせは新たな誤差要因を招くことにもなるので注意が必要である。これらの誤差要因には以下のようなものがある。
 
 ―カメラのシャッターはシャッターが落ちる時間にかなりのランダムな時間変動を示す可能性があり、そのことがGPSレシーバーとの同期において時間的ずれを生じさせることが考えられる。
 ―GPSアンテナとカメラは物理的に全く同じ位置には設置されているわけではない。GPSアンテナとカメラの中心に対応する画像との位置関係は画像座標系内で既知である必要がある(図1)。



図1.GPSのオフセット

 このずれの値は結果に制限を掛けることによって、あるいはそれをランダムプロセスとして扱うことによって調整に導入されることができる。GPSアンテナの最適な配置は視覚軸の方角である。ずれの計測はマイクロネットワークを計測することによって求めることができる。表1に到達可能精度を求めた。

表1.カメラ中心に対してGPSアンテナの位置を調整したときの精度
(測定精度は長さの精度は2mm、角度の精度は7秒、高さについては1mmの精度で計測している)

 ―GPSの写真測量のミッションの前に GCP とアンテナの間の高さは正確に測られる必要がある
 ―露光時間は通常GPSレシーバーのサンプル時刻と同期しない。それゆえインターポレーション処理が必要となる。この処理に用いるアルゴリズムによって引き起こされうるエラーの種類が変わってくる。
 ―ラジオ干渉が問題を起こしうる。特に飛行機に搭載されている場合である。このエラーをなくすためにノイズフィルターを用いる必要がある

フライト計画
 GPSデータを取得するには正確なフライトが必要である。まず、オンボードのレシーバーはinteger ambiguityを補正するための初期化が必要である。次にフライトラインを計画するとき、人工衛星がきちんと十分な数を補足できないといけない。地上計測と異なり、サイクルスリップが起こって、受信機がその誤差を処理できないことになってしまうと、全ミッションが台無しになってしまう。ソフトウェアはごく短時間の誤差は扱うことができるが長時間の誤差については(10秒以上)処理できない。航空機に搭載されたレシーバーの位置に依存し、バンク角 《飛行中の左右傾斜角》 によってはGPSのシグナルを長時間受信不可能となることも考えられる。バンク角は25度以下が良いとされていて、結果的にそのことが長距離のフライトラインを確保できることにもつながる。飛行計画時のベースレシーバーの位置についても考慮が必要である。さらに、飛行時刻についても調整が必要である。すなわち、6機以上の同じGPS衛星を補足し続けられる必要があり、PDOPの値もGPS衛星の幾何学的な配置を考えると3を越してはならない。したがって、撮影条件は有効な太陽角と有効な衛星の補足状況という条件の中で決める必要がある。これらの問題のいくらかは写真測量のブロック調整においてドリフトについての付加的なパラメータによって改善できるものもある。

カメラの位置
 GPSレシーバーは予め、一定の割合で、例えば一秒おきにデータを取得するように設定されている。このGPSのデータ取得時刻はカメラの露光時刻と完全に同期しているというわけではない。それゆえに、GPS観測を内挿し、露光時刻と同期させる必要がある。正確な時刻というのは必要不可欠なのである。例えば、飛行機は時速200km(56m/sec)で飛行しており、1ミリ秒の違いは6cmの誤差を生じることになるのである。レシーバーは原子時計を用いて正確な時刻を測定しており、ほとんどのレシーバーはカメラとのケーブルによる接続がなされているので、カメラの時刻に頼るよりも露光時刻はレシーバーに露光時刻を保存することが推奨される。

ブロック調整
 写真測量の多くのブロックは長方形であり、GPSはブロック全体に以下のように配置されている。
 ケース1: 各コーナーに一つの完全なGCP
 ケース2: 各コーナーに一つの完全なGCPとブロックの縁周辺に高さポイントのチェーンがある
 ケース3:コーナーに一つの完全なGCPと一つの高さ情報のコントロールポイントがあり、飛行経路の各サイドにtow cross lineがある

 これらの精度検証をイラン全体の写真測量を用いたブロック調整で行った。表2にテストで用いた飛行条件をまとめてある。

表2.テストに用いた航空写真の取得時の詳細

 さらに、Visual C++でプログラムを書き十分なGCPがある場合の独立モデルによるアプローチとの比較を行った。写真のコントロールポイントはDSR14 を用いて10ミクロンの精度で取得し、GPSレシーバーによるGCPは10cmの精度で取得した。

結果
 表3に示すように、tow cross stripsを用いたときに精度の向上が見られた。一つは始点に、もう一つは終点に設けている。ひとつのGCP をコーナーに設けるよりも4つのGCPを用いた方が精度はいい。バンドル調整ではランダム誤差より、機械誤差の方が影響が大きい。

表3.異なる条件によって調整を行ったときの精度(IM:独立モデル、BA:ブロック調整)


 それゆえ、より正確な機械によるコントロールポイントの取得を推奨する。GPSの使用は従来の方法と比較しておよそ25%の三角測量のコストの増加をまねく。 ここでコストにはtow cross strip flight,写真コストとポイントの変換に要するコストが含まれまれる。


参考情報
Ackermann, F., 1993, GPS for Photogrammetry, The Photogrammetric Journal of Finland, 13(20), pp7-15.
Habib, A., Noval, K, 1994, GPS Controlled Aerial Triangulation of Single Flight Lines, Proceedings of  ASPRS/ACSM Annual Convention and Ecposition, vol.1, Reno, NV, April 25-28, pp 225-235.


著者略歴

 Asghar Milanlak氏は現在イラン、テヘランにあるK.N.Toosi大学のPhD学生であり、イランTabrizにあるTabriz大学の講師も勤めている。

 Mahdi Gholamali Majdabadi氏はテヘラン大学の工学部で写真測量の学位を取得した。オランダITCからGISについての課程博士号も取得する。現在イランのNational Cartographic Center(NCC)の写真測量部局で働いている。

 


抄訳者略歴

岩男弘毅

1994年     東京農工大学農学部環境・資源学科卒業
2000年     東京大学大学院工学系研究科社会基盤工学専攻 工学博士
2000-2003年  アジア工科大学院アジアリモートセンシング研究センター所属
2003-2005年  (独)産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門 大気環境評価研究グ ループ 産総研特
          別研究員
2005年現在   (独)国立環境研究所 NIESポスドクフェロー